今泉八重オフィシャルブログ
健康について
2020.02.16 | 健康について

座り続けるリスク

こんにちは

ピラティスインストラクターの延村 八重です

ホームページ・ブログをご覧くださり、ありがとうございます

 

現代人は1日のうち60%を座って過ごすといわれています

WHO(世界保健機関)

2011年『座って動かない生活は肥満や糖尿病、高血圧、がんなどの病気を誘発し年間200万人の死因となっている』と発表

今回は『座り続けるリスク』について

 

下のグラフをご覧ください

日本人男性の1日の座位時間と総死亡率の関連、平日座っている時間の国際比較を表したグラフです

 

 

引用:https://style.nikkei.com/article/DGXKZO11574300S7A110C1NZBP01/k

https://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201710240000/

 

日本人は世界の先進国の中でも第1位となっており、世界平均より2時間も長く座っているという調査結果(※豪シドニー大学のBauman氏らが世界20ヶ国の成人を対象として実施した調査)座っている時間が長い人ほど寿命が短くなるというレポートが国内外で報告があがっており、生活習慣との関連が確認されているそうです

 

デスクワークの多い職場では同じ姿勢で何時間も過ごし、ランチやトイレで立ち上がって歩き、また終業まで座りっぱなし

 

そういう方は非常に多いと思います

 

 

女性を対象にした研究では1日に6時間座る生活を続けた場合、1年後、骨量が1%失われることが分かっています

 

ここで大切なのは、加齢とともに骨を作る能力は低下し、骨量を増やすのはとても大変だということ

 

一般的に女性は50歳くらいから骨量が低下を始めるといわれますが、これは更年期に入り、女性ホルモンであるエストロゲンの低下が関連

 

なので、ここまでの骨量維持がとても重要となります

 

たとえ座りっぱなしの状態が長く続く環境下にあっても、運動や食生活などの生活習慣に気をつけながら過ごした方と、何も対策をせず過ごした方では50歳代に入ってからの骨量に大きな差ができます

 

改めて、女性の骨粗鬆症については今後書きたいと思います

 

では、座り続ける生活が引き起こすリスクには他にどんなものがあるでしょう

 

 

①心疾患

②糖尿病

③うつ病

 

座位姿勢は膝が曲がり、腰が丸まりやすくなり、腿の裏側が潰れた状態となり下半身が窮屈になります

 

身体のなかで最も大きい腿の筋肉、大腿四頭筋が働かないと代謝が大幅に落ち、下半身の筋肉が動かないことで血液を心臓に戻すという大切な役割も果たされなくなります

 

脚の血流が悪くなると血液循環のリズムは乱れ、血管が詰まりやすくなり高血圧や動脈硬化へと進んでしまいます

 

更に、姿勢維持筋(抗重力筋)である大腿四頭筋・ハムストリング・臀筋・腹筋群・背筋群らは身体に占める割合が多いため、数年単位でそういった生活を続けて足腰が衰えてしまうと、いずれはロコモティブシンドローム(運動器症候群)へと移行

 

脳への影響も避けられず認知能力低下の危険性も増すといった悪循環が生まれます

 

 

職場では・・・

◆小休止は立って過ごす

◆ランチには外出して歩いてランチに行く

◆かかとの上げ下げ運動をおこなって、ふくらはぎを使う

◆なるべく階段を使う

◆座りながら、こまめに骨盤を立て腹筋・背筋を使って座る姿勢を継続してみる

◆丸まりがちな背中を伸ばし、深呼吸をする

◆その場で立つ・座るを繰り返し下半身の関節を動かす

◆窮屈な靴から楽な靴に履き替え、足指も動かす

 

自宅では・・・

◆階段を使って踏み台昇降

◆少し遠いスーパーに歩いたり、遠回りをする

◆TVを見ながら、家事をしながら。『〜ながら』で、関節や筋肉をよく動かす

◆家の中でも毎日1時間立って歩く習慣をつける

◆ジムに通ったり、全身をまんべんなく動かす習い事を始める

 

 

軽いジョギングやテニスなどの中程度の運動が1日60〜75分程度が本来は必要とされ、週末の適度な運動だけでは補えないといわれています

 

忙しい私たちは慢性的な運動不足から抜け出し、できるだけ効率良く、自分のライフスタイルに合った運動を必要なだけ継続することがテーマ

 

是非、目の前のことだけではなく、10年後の自分を見据え毎日の過ごし方を選択していただけたらと思います。

 

2020.02.13 | 健康について

良い姿勢とは

こんにちは

ピラティスインストラクターの延村 八重です

ホームページ・ブログをご覧くださり、ありがとうございます

 

私たちは幼少の頃から親や学校の教師から『姿勢を良くしなさい』と言われて育ちます

学校の授業の前、行事、『気をつけ』と号令を聞かなかった日はないくらい姿勢を正す機会があった筈です

 

 

大人になると会社のマナー研修でも姿勢について触れることはあります

 

けれど誰も『正しい姿勢がどんな姿勢か』教えてくれないんですよね

 

『良い姿勢』とはどんな姿勢をいいますか?

『え〜・・・良い姿勢は・・・良い姿勢でしょ!?』クライアント様に質問すると言葉に詰まってしまいます

 

 

これは姿勢タイプのイラストです

 

前述の『気をつけ』はクセ者。

ずっと聞かされてきた言葉であるため、背筋をピンと伸ばした姿勢が『良い姿勢』と誤解している方が多いのも事実です

 

では姿勢を決める要素とはなんでしょうか?

下の骨格模型と上の姿勢タイプのイラストと模型を見比べてみて何か気づくことはありませんか?

 

姿勢を決めているものは『背骨』『骨盤』です

 

背骨は椎骨(椎体)と呼ばれる小さな骨が連結され、脊髄の保護とともに下記の機能をもちます

 

①体幹を支持する機能

②体幹に可動性をもたせる機能

 

 

引用:https://kansetsu-life.com/spine/5_01.html

 

背骨はS字カーブを描き、これを生理的弯曲といいます

●頸椎(首の骨)7本→

●胸椎(胸の骨)12本→

●腰椎(腰の骨)5本→

●仙椎・尾椎→

 

私たちの身体は常に重力の影響を受け、動き続け、重たい頭を支え、足裏からの衝撃を受け、横からの外力がかかるとき、背骨はクッションの役割をして力を分散してくれます

 

正しい弯曲があって初めてひとつひとつの椎骨はスムーズに動いてくれるようになります

 

しかし、不良姿勢の場合には大切なS字カーブが失われ、背骨の本来の機能が果たされず、痛みや疲労感、ケガ、不快感といった全身のダメージとなり、長い時間をかけて蓄積されていきます

 

子どもの時からの歩き方や日常のクセ、部活内容によりついてしまったクセ、カバンのかけ方や座り方、長い時間かけ身についてしまった、自分にとって楽な姿勢は、けっして正しい姿勢ではないのです

 

この写真は2018年ピラティスWSに参加したときのものです

(※目隠しをして目からの情報を絶ち姿勢を客観視するワークで写真を撮りました)

 

姿勢評価の基本は解剖学的指標(骨のランドマークのこと。正しい姿勢を見つけるための目印)が一直線であること

(※この場合は前後方向のバランスのみ。更に身体の後方から見た側方バランスの指標点を見るとより正しい姿勢評価に繋がる)

 

完全ではありませんが、ピラティスを続けたおかげで、ご覧の通りだいぶ真っ直ぐに近づきました

 

引用:http://mayflower-hp.jp/blog/

 

骨格を正しい位置へ道導くことは、姿勢を保つために働く筋肉、『抗重力筋』を正しく使うことでもあり、身体の前面・後面の筋肉がバランス良く保たれることに繋がります

 

私たちは常に重力の影響を受けた自分の体重に押しつぶされないように、常に筋肉を緊張させて生活をしているのです

 

正しい姿勢とは省エネができる身体

 

骨格が整うと、身体の前面と後面の筋肉をバランス良く鍛えることができ、スタイルアップはもちろん、関節や骨にも負担をかけにくくなることで怪我を防止することができます。

 

(※お身体を見させて頂いているクライアント様の姿勢の変化)

 

数年かけて変化した姿勢は、同じかそれ以上の時間をかけて戻していく必要がありますが、トレーニングを続けることで、姿勢悪化からくる身体の不調を防ぎ、本来の背骨の機能を取り戻しながら、パフォーマンスを上げ快適な毎日を過ごすことができるでしょう