今泉八重オフィシャルブログ
2020年12月
2020.12.21 | ピラティス

膝関節過伸展の修正~ピラティスでできること~

 

こんにちは。

ピラティスインストラクター・顔ヨガ講師の今泉 八重です。

 

通常を超えて、膝が更に伸びてしまった状態。それが過伸展(かしんてん)・反張膝(はんちょうしつ)です。

伸展とは膝を伸ばすことで『伸び過ぎている』という意味です。

下の写真をご覧ください。

突っ張り棒のように骨や関節に寄り掛かったような悪姿勢で膝を『ロック』することが続けば、

今は良くても、関節にダイレクトに衝撃や体重による負荷を受けるようになり、

将来的には痛みやケガの原因となってしまう可能性があります。

私は関係ないと思ったあなた!!

意外とこの過伸展、日常的に行っていたりするんです。

たとえば、届いた荷物を床から持ち上げるとき。膝を突っ張って『よいしょ!』と持ち上げていませんか?

洗面台で歯を磨きながら鏡に顔を近づけていませんか?

電車でつり革に捕まっているときも。

 

膝を伸ばすという筋肉は太腿の前側にある『大腿四頭筋』です。

大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つを『大腿四頭筋』と呼びます。

 

大腿四頭筋は身体の筋肉のなかで一番大きい筋肉で、前述のように膝を伸ばす、

股関節を曲げる、骨盤の傾きを保持する等の働きがあります。

収縮すると膝蓋骨(膝のお皿)を引き上げることで膝が伸びます。

そのため、大腿四頭筋がやせ衰えて弱ってくると、膝蓋骨が持ち上がらず、

膝を伸ばすということが困難になります。

これが変形性膝関節症へと繋がっていきます。

 

年齢に関係なく膝を伸ばしきることができないという方も多くなってきていますね。

下の写真は通ってくださっているクライアント様の経過写真です。

リフォーマーというピラティスマシンに仰向けで横になっていただいて、

太腿からふくらはぎまでを横から撮った写真です。

2017年から、本格的にピラティスによるレッスンを開始。

痛みはないものの、膝関節が完全に埋もれてしまい逆くの字になってしまっています。

足首が固まり細かい重心移動が難しく立位のバランスポーズが苦手。

お尻や腿裏のハムストリングが使えない状態で前腿が張り、

地面を踏みしめて立つことで足指が折れ曲がってしまっていました。

 

そこから、月2回のペースで通っていただき、弱化したお尻の筋力アップ。

気持ちが悪くても膝を曲げた状態でなるべく過ごしていただきながら、

ストレッチ・リラックス法なども取り入れ1年9か月。

2019年9月には膝が姿を現しました。

そこから更に、(途中コロナによってレッスンが2か月以上中断されましたが)1年3か月。

体幹部・ふくらはぎの強化に努め、力んで曲がってしまう足指へのストレスを減らしながら、

2020年12月には同一人物の脚とは思えないほどに本来の状態に戻りました。

 

確かに『膝を伸ばす』筋肉は大腿四頭筋なのですが、

身体後面にある筋肉もバランス良く一緒に使いながら膝を伸ばすことがベスト。

 

膝を伸ばした状態で膝のお皿を触ったときに埋もれた感じがあったり、

既に痛みが出ていたり、歩く・立つ・座るなどの日常的な動作が以前より減っている方は要注意。

姿勢やライフスタイルを見直しましょう。